ダフロン

2008年11月01日

オウガにズームUP!/穂史賀雅也

4840124302オウガにズームUP! (MF文庫 J ほ 1-4)
穂史賀 雅也
メディアファクトリー 2008-10

by G-Tools

犬伏ユージが学校にも秘密にしていること。それはクラスメイトの井上ククルと結婚し、同棲までしているということだ。だがユージは、自分がロリコンだったらこんな状況も喜べるけど……と冷めている。そもそもなぜククルと結婚なんてするハメになったのかというと……?

実録鬼嫁日記

異世界からやってきたオウガ族の少女・井上ククルの角に触れたことで、彼らの掟により結婚することになってしまった犬伏ユージの新婚ライフを描いたラブコメディ。

 夫婦とでしか触ってはいけない角をうっかり触ってしまったために、死か結婚かを選ばされるという、どこぞの瀬戸内海の極道人魚の漫画が頭をよぎるストーリーですが、まあそれはともあれ、いきなり始まった結婚生活に戸惑いや混乱を招きながらも、次第にお互いのことを意識するようになり、騒がしくも温かい日々を過ごしていく様子が和やかな気持ちにさせてくれる。

 世間知らずで生真面目だけれど料理上手で努力家なロリっ子・ククルは嫁として出来た女の子だと思うのに、彼女が幼児体型なのを理由に「ロリコンだったら・・・・・・」と、いつもないがしろにした態度をとるユージには、ちょっとイラっとさせられましたけどね。

 不本意な結婚になにかしら言いたいこともあるのはククルも同じだろうに、自分のことしか考えられないのかと。少なくともククルはユージを理解しようとして、好かれる努力をしているのに、コイツはハナから偏見でしか彼女を見ていない。もっと相手の内面をみろよ。外見で相手を判断してるんじゃ、ロリコンと変らんぞ。っていうか、少なくともお前よりは、よっぽど大人だよ!
 なんとなく能天気というか、ぼーっとしたキャラも鈍感というよりバカにみえる。

 ククルを狙って現れたサムライ娘を撃退する方法も、それこそコメディだなぁ。
 無闇やたらにシリアスぶってギスギスするよりはいいけれど、折角、ユージが活躍する見せ場なのに、あまりにもしょーもない幕切れで脱力感が・・・・・・。
 物語の〆もあっさりしすぎですね。この作者は、毎度オチがなげやりなんだよな。そこにもう少し気を配ればもっと読んだ後に残る印象の度合いも違ってくると思うのに。

 この物語で伝えたいこと、やりたいことがなんだかよくわからない。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | MF文庫J | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
暗ヤギの時もそうでしたけど、
全編に夢オチというか理不尽系というか、もやもやしたテイストを感じますね。
主人公もあんまり魅力なくて共感しづらいとこも嫌要素かも。
ただ、私はシコルスキーさんの絵が好きなのでついつい買ってしまいますorz
Posted by ft at 2008年11月03日 01:27
魅力がないというか、非常に地味ですね。あんまり憧れは抱けません。
ストーリーは煮え切らない感、燃え尽きない感がつねにつきまといます。
全体的には悪くないんですが、やはり物語の印象を決めるのは最後のオチであるのに、そこのところを軽く流しすぎてインパクトが弱い気がします。
Posted by 愛咲優詩 at 2008年11月04日 01:18
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