ダフロン

2008年09月04日

いちばんうしろの大魔王 ACT.3/水城正太郎

4894257599いちばんうしろの大魔王 ACT.3 (HJ文庫 み 1-2-3)
伊藤宗一
ホビージャパン 2008-09-01

by G-Tools

臨海学校で普通の学園生活を満喫したい阿久斗だが、行き先の島には「魔王」と「勇者」にまつわる伝説があり、そんな曰く付きの島で無事にすむわけもなく、事件に巻き込まれていき・・・。


魔王と勇者と軟体類

魔王になると予言された少年とそれを取り巻く少女たちの学園ラブコメファンタジー。

阿久斗を色仕掛けで操ろうという政治的思惑によって、政府から遣わされた人造人間であるころねが阿久斗に拙い誘惑で迫るのですが、まあこれがどこのギャルゲの設定をコピーしてきたのかというあからさまなもので全然通じてなかったり。
無表情キャラは、ツンデレのようにあからさまに媚びた仕草はいらんのですよ、ころねさん。
感情を表すことなくいつも何を考えているか分からんところがいいのです。貴女はそのままで最高です。
ちょっぴり感情が芽生え始めて、自分を出すようになってきたのはいい傾向ですけどね。

しかし、そんなころねのせいで楽しみにしていた臨海学校は、阿久斗の周りだけ女を侍らせている爛れた空間が出来上がってしまい、そんな状況に我慢できなくなったツンデレ絢子が阿久斗に切りかかったり、それを余所にけーなが天然ぶりを撒き散らしていたりと、毎度ながら王道ですね。
このシリーズでは服を破かれて全裸になるなんてありきたりなので、水着シーンが新鮮だな。
むしろ水着の方が全裸よりもサービスシーンになっているんじゃないかと。

海を楽しんでいた阿久斗だが、島に残る『魔王と勇者』の言い伝えを巡って村民たちと対立してしまう。
「魔王じゃない」とフォローすればするほど、状況が悪化してドツボにはまっていくのがこのシリーズの面白味で、阿久斗の言ってることは正しいんだけれども、すぐに感情的になって魔王モードのスイッチが入ってしまうこの短気さが、彼の唯一の欠点だなぁと苦笑い。
まあ積極的で正義感溢れる気質はわりと主人公に必要なものだと思うのですが、少しは躊躇いというものがあるべきですかね。戦闘シーンでも、相手の方が悪役なのに勝ち方がまるっきり魔王ですもの。
そういった意味では、阿久斗の隠れた残虐性を抑えるために、彼を真正面から諫める絢子やけーなのような存在が必要なのだろうなぁ。

これまで阿久斗の腰巾着をしてた三輪寛が、まさかの最強クラスのキャラへ。
阿久斗と同じくらいに、言ってることは正論なんだけれど、やはり独善的にみえてしまうんですよね。
お互いに「正義」というものにある種、盲目的なのはちょっと危ないカンジです。
力のない人間が急に強い力を手に入れると、ロクなことにならないというのもお約束ですし。
これは最終的に二人が決別するフラグかなぁ。そこはかとなく寛にウザク臭が・・・。

私としては王道ラブコメもいいけど、ピーターハウゼンと不二子の会話のようなバカバカしいトークも大好きなので、普通の魔王ギャグも忘れないでねと願いたい。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | HJ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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