![]() | マルタ・サギーは探偵ですか?7 マイラブ (富士見ミステリー文庫 54-9) 野梨原 花南 富士見書房 2008-08-20 by G-Tools |
デアスミスがついに動き出した。リッツをさらい、『賢者の石』を手に入れるため、オスタスでの大量虐殺を計画するが!?名探偵マルタ・サギー、最大の事件は"愛"をかけた物語!
サギー・マイ・ラブ!
名探偵と女怪盗のラブロマンスもついにフィナーレ。
大量のカード使いを従え、これから悪事をなそうとしているのに迷いなく毅然としているデアスミスに対し、相変わらずマルタはふにゃふにゃしてますが、この世界で出会ったたくさんの友人たち、初めてできた家族、そして最愛の女性を守るために満身創痍でかけずっている姿は、蓑崎で自堕落にくすぶっていた最初の頃と比べると、大変な成長ぶりですよね。
いつの間にか大人の男としての風格を身に着けていたマルタにときめいているバーチがとってもかわいい。
マリアンヌのことばかり気にかけるマルタの言葉に内心面白くないバーチですが、どっちも貴女じゃないかよっ!w
正体がバレているとは知らないからこそ余計に可笑しい。
もうマリアンヌだったら、バーチだったらと、マルタの前では自分を演じなくてもいいんじゃないですかねぇ。
彼はそんなこと気にしないよ。だから好きになったんでしょ?
まあ不満といえば、期待していたよりデアスミスが三下っぽいキャラになってしまったのが・・・。パターン的な狂人ってカンジで、周囲が騒ぐほどのカリスマ性を感じませんでした。
しかも、マルタに計画を見抜かれているようじゃなぁ。
それにカードに頼りすぎなんですよ、それで足をすくわれる。
マルタも大概だが、最後はカードにまかせっきりにしないで、自分の拳で決着をつけたところがよかったですね。
デアスミスやフィランシュ教室の事件が終わったあとも、マリアンヌに自分の気持ちを伝えられないで、ぐだぐだしてしまったけれど、自分よりも誰かのことを考えてしまうのも彼らしい。
本当に周囲に世話をかけるお騒がせな名探偵と怪盗ですが、今後もリッツやジャックには苦労してもらいましょう。
愛がいっぱい。よいシリーズでした。