ダフロン

2008年08月20日

僕は彼女の9番目/佐野しなの

4048671812僕は彼女の9番目 (電撃文庫 さ 12-2)
佐野 しなの
アスキー・メディアワークス 2008-08-10

by G-Tools

クリスマス・イブに事故に遭った不幸な高校生、木蔦東司。退院した彼の部屋に、ある夜、訪ねてきた少女は、自分はサンタクロースで、東司を轢いた犯人だと告白した。お詫びに何でも欲しい物をプレゼントするという彼女に、寝ぼけた東司は「きみが欲しい」と言ってしまい・・・。


サンタが部屋にやってきた!

天然サンタ少女が巻き起こすドタバタコメディです。

罪滅ぼしにやってきて東司と同居をはじめたサンタ娘、黒須にこらは、世間知らずで徹底的に『個』というものがない。
自分でなくともサンタの代わりはいるという理由で、その身を投げ出してまで他人に尽くすところは、天然というだけでは軽くて、常識では理解しがたい感性にちょっと引きましたね。
もっと自分を大事にしろと東司が叱ってみても、あまりの意思の伝わらなさに、呆れるよりも疲れを覚えてしまいました。

にこらにはうんざり気味ですが、幼なじみの柊美早子はナイスツンデレ。メインヒロインの座を明け渡して欲しいくらい。
男女間の生々しさがなくて、気の合う親友や年の近い姉弟のような気安さがあってよかった。
普段から凛々しくてカッコイイイメージがあるんだけど、バレンタインのチョコをカレーに入れてわたすとか、遠回しにでしか気持ちを表せない、微妙な乙女心もいじらしい。

ってか、ストーリー自体は結局のところ、クリスマスに人を轢いたり、子供に目撃されたり、失敗ばっかりのにこらの行動が時間を置いてトラブルに発展していってしまい、その尻拭いに東司や友人たちが追われているだけのような気がまします。
サンタ娘、マジでハタ迷惑すぎる。

当事者を無視して勝手に議論を決定していくサンタの委員会とか、個性溢れすぎて東司の周囲を引っ掻き回していくトナカイトリオとか、ファンタジー世界のキャラクターは、みんな自分達が人間社会へ及ぼす影響を全然考えてないなぁ。
まあ経緯はどうあれ、にこらもこれから経験を得てマトモな人間性というものを身に着けていってくれればよいと思います。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(1) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2008-08-26 01:14
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