ダフロン

2008年08月18日

ふしあわせなら手をつなごう!/日比生典成

4048671766ふしあわせなら手をつなごう! (電撃文庫 ひ 4-3)
日比生 典成
アスキー・メディアワークス 2008-08-10

by G-Tools


やさしさをありがとう

人の幸福と不幸の天秤が見えてしまう高校生・優哉は、その天秤が不幸に傾いている人を見かける度にその手を握る。
握手をすることで自らの幸運を分け与え、不運な境遇に苦しむ人々救いを与えていく不思議な少年の物語です。

困っている人を見かけるとつい手を差し伸べずにはいられないという優哉は、お人好しで善人なのは確かなんだけど、人に騙されてもまったく気付かないで笑っていそうな、他人の悪意に鈍感な性格は、危なっかしくてやきもきさせられるなぁ。

そんな浮世離れした親友を見守る我王がいい感じです。
口は乱暴で見た目ヤンキーなんだけど根は優しくて、身を犠牲にしてまで他人を助けようとする優哉を止めようと思いつつも、毎度毎度、彼のお節介に付き合ってしまうところに、彼の不器用な心優しさが表れていてほんわかさせられます。

でも、いつも他人優先でどこか自分を低くみている優哉に対しては、たまにイラつくときがありますね。
他人に優しくするあまり、自分を大事にしないのは、それはそれで倒錯的というか、歪んでいるのではないかと。
他人からしても、自分の身代わりに相手が嫌な目にあっているとわかったら、いい気分にはなれないですよね。
それこそ自己犠牲と自己満足の身勝手な暴走ですよ。

天の使いと決別するシーンで、これまで優哉が助けてきた人々が集ってくるなんてミュージカルな展開はさすがに奇妙に感じましたが、まあそれで優哉の思い違いは改善されたかな。
あまりに聖人君子なキャラで逆に共感しにくかったので、それよりも多少は現実感があるキャラだった方が、読み手としては親しみやすかったかもしれないなぁ。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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