ダフロン

2017年08月22日

【シミルボン連携企画】この夏、食べたい絶品異世界グルメ作品10選

 夏の日差しがふりそそぎ、蝉しぐれと猛暑が続いておりますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。すっかり夏バテで食欲がなくなってしまったという方は体調管理にご注意を。

 さて、食欲といえば、ライトノベルの異世界ファンタジー作品では、「グルメもの」が大人気のジャンルになっています。現代日本の料理をファンタジー世界観で再現するというのが基本ですが、最近では居酒屋であったり、喫茶店であったり、スイーツショップであったり、料理だけでなくお店の独特の雰囲気や居心地を異世界の人々に味わせるという方向性にシフトしてきています。

 そんな異世界グルメ作品でも、とくにこの夏、食べたい絶品グルメを私の独断と偏見でランキング形式でご紹介します。

※グルメものではVRMMOが舞台の作品もありますが、今回は舞台が異世界の作品に限定します。
※舞台が異世界であっても料理要素が物語のメインテーマと外れている作品も除きます。
※書籍版では現段階で未収録のものもあります。web連載版で読めます。

 それでは10位からいってみましょう。

10位 『迷宮レストラン』の和風朝食

あらすじ
 ある日、ダンジョンの最深部に現れたファミリーレストラン。そこは魔界にいるはずの魔王が趣味の料理の腕をふるって冒険者をもてなす不思議な場所だった。
レビュー
 アジの干物、キュウリとナスのお新香、ジャガイモの味噌汁、甘い卵焼き、そして白いご飯と納豆、海苔という、日本の家庭では朝食の定番メニューですが、現代日本から異世界に召喚されホームシックにかかってしまった女勇者リサにとってはどんなご馳走にも勝る懐かしい故郷の味だったのです。読んでいるとこちらまで田舎の実家に帰省したような気持ちになります。



9位 『異世界料理道』のギバ・バーガー

あらすじ
 火災によって実家の大衆食堂と共に焼け死んだはずの見習い料理人アスタは、目覚めると異世界の森にいた。森の猛獣ギバを狩る「森辺の民」に身を寄せたアスタは、料理なき場所で料理を始める。
レビュー
 イノシシに似た猛獣ギバは血抜きをすればとても美味な食材に変わる。そこでアスタが作ったのはギバの肉をパテに使ったギバ・バーガー。それを屋台で売り出したことでギバを嫌忌する都の民と森辺の民の相互理解に繋がったきっかけの一品でした。遊びにでかけた時に食べてみたくなります。



8位 『最強の鑑定士って誰のこと?〜満腹ごはんで異世界生活〜』の米麹の甘酒

あらすじ
 家事が大好きな男子高校生悠利は、気づいたときには異世界のダンジョンに。偶然、知り合った冒険者のクラン「真紅の山猫」に拾われた悠利は、彼らの暮らす寮の主夫として毎日ごはんを作る。
レビュー
 甘酒は酒粕から作るのが一般的ですが、悠利が作ったのは米麹の甘酒。米麹の甘酒は酒精がないので子供でも飲めるのだとか。作り方も詳しく描かれていますから参考にして作れるかも。
 甘酒といえば今でこそ冬に飲むものですが、実は江戸時代では夏に飲んでいて季語にもなっています。「飲む点滴」ともいわれて夏バテ予防に最適なのだとか。



7位 『冒険者クビにされたので、嫌がらせで隣にスイーツ店ぶっ建ててみる』のコーラフロート

あらすじ
 パーティの仲間に裏切られて冒険者を辞めさせられた主人公マツスケが、食材にステータス上昇を与える「料理エナジー付与」というスキルを使ってスイーツショップでリベンジを企む。
レビュー
 マツスケが恩人である武器屋のおやっさんに振る舞った、バニラアイスとサクランボののったコーラフロート。レモン汁と黒酢を混ぜており、酸味のさっぱり感とコクのあるコークがバニラアイスのまろやかな甘味をひきたてる一品。甘酒もいいですが、暑い日には炭酸飲料も飲みたくなります。



6位 『傭兵団の料理番』のカレーライス

あらすじ
 買い物帰りに異世界に迷い込んでしまった主人公シュリは、ひょんなことからガングレイブ傭兵団の料理番として働きはじめる。やがて彼らは稀代の英雄と伝説の料理人として歴史に語り継がれていく。
レビュー
 カレー粉の再現に試行錯誤を重ねるシュリが、チョコレートを隠し味に完成させたカレーです。辛いものを食べると体内の発汗作用を促して涼しく感じるのだとか。平均気温が上がるほどカレー店の売上げも上がるといわれています。

 5位以上の作品はシミルボン上にて掲載しています。興味のある方は、こちらのリンク先までよろしくお願いします。

この夏、食べたい絶品異世界グルメ作品10選byシミルボン

posted by 愛咲優詩 at 00:00| ラノベ評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月08日

筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かない。鎌倉の花は、秘密を抱く/谷春慶


 客の目を引く見事な書店ポップ、鎌倉の寺社を巡った御朱印帳、祖父が読みたいと望んだ特別な小説、少年が誰にも見せたくなかったメモ。気持ちに嘘はつけても、文字は偽れない。文字に秘められた想いを、清一郎は明らかにしていく。


PRtag.jpg

 文字は人の営みに寄り添う

 古都鎌倉を舞台に、文字と書、人の想いにまつわる事件を描く筆跡鑑定ミステリー。

 かっけー友達がいないことをサラっと言える清一郎さんマジかっけー。でも、人間強度元々低そう。
 毎度、清一郎へ厄介事の解決を依頼する美咲の手際もなれたものですが、今回は清一郎の側から美咲へ相談を持ちかけたりして、デレはじめてすっかり距離が縮まっていく二人の関係にニヤニヤしきり。
 大人げない清一郎をフォローしたり、世話を焼く美咲が、恋人というよりカーチャンに思えてきた。

 見に覚えのないことで嫌がらせの手紙を送られる清一郎ですが、美形は他人からやっかまれたり、騒動に巻き込まれれたりして大変だなー(他人事) 美形でなくとも自ら騒動を巻き起こして他人に迷惑をかける松岡のような人間もいるわけですが、奴はどうしてこうもアホなんだ……。キャラに似合わない純愛を経験しているのに、どうしてそこから経験値を得てないんだ。愛しの先輩も草葉の陰で激怒してそう。

 直筆の字や書ではなくとも、印刷された文庫本にも思いは宿る。確かに出版社によって読みやすい書体とか、行間とか、あるよなぁ。私のデフォは角川系ですね。次から小説の読み方も変わりそうです。
 同じ文字でも、誰が書いたか、誰が読んだかで物事の見方が変わって見えるというのが、趣深いところなんじゃないでしょうか。でもこの作品で面倒なのは事件の解明より恋愛事や人間関係なんだよなぁ。

 清一郎の人間嫌いの原因は、母親への罪悪感から自分に厳しく正しくあろうとして、その正しさを他人にも押し付けてしまうんでしょうね。清一郎にも不器用だけれども他人に優しいところがあるように、他人の悪いところばかりでなく良いところも見るようになって欲しい。
 最後の金子みすゞの詩で身悶えした。あれはもうどう見てもラブレターでしょう。
posted by 愛咲優詩 at 00:00 | TrackBack(0) | このライトノベルがすごい!文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月02日

自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ?/三河ごーすと


あらゆる分野のエリートだけを集めた名門校・獅子王学園。だがその実態は、ゲームの結果ですべてが評価される弱肉強食の学園。裏世界のゲームで常勝無敗の伝説を残しながらも、面倒のない普通の人生を歩みたい主人公・砕城紅蓮は、入学試験で手を抜き、目論見通り最低位のFランクに認定されるが……

 この世界はゲームで支配されている

 ゲームの強さですべてが決まる学園で最底ランクの主人公が下剋上を繰り広げていく学園頭脳バトル。

 さすおに。やはり劣等生のお兄様は格が違った。最下位が最強なのは常識じゃないですかやだー。
 裏のゲームで政治も経済も戦争すらも決まる世界で、最強に君臨していた主人公・砕城紅蓮が、エリート校に入学し、上のランクの生徒が下の生徒を虐げる階級社会をぶち壊していくところが痛快です。
 ゲームで人権を切り売りする世界観がとても狂ってて歪んでて背筋がゾクゾクしてきました。

 裏の世界の権力争いから離れたくて高校に編入したものの、そこは生徒同士がゲームでランク競争を繰り広げる特異なエリート校で、平凡を求めてあえて底辺に身をおく紅蓮の徹底ぶりが滑稽でおかしい。
 そんな兄・紅蓮を敬愛し、家でも学校でもダダ甘やかしながらも、兄を活躍させる舞台を整えるべく暗躍するブラコン妹の可憐の毒舌&腹黒さが、まさにこの兄にしてこの妹あり。この妹がヤバい。

 厄介事を避けるためにわざわざ最低のFランクで入学したのに、ゲームで他人を陥れ人としての人権や尊厳をもて弄ぶ生徒たちの所業を見過ごせずに首を突っ込み、鼻っ柱をへし折っていくから面白いんだ。
 ゲームは基本のルールこそあれ、イカサマやペテンは当然のことながら、超能力のような異能でもなんでもありの卑怯上等のダーティーな勝負だから先の展開が読めなくてドキドキハラハラして手に汗握る。

 リアルな若者と比較したら、野心と欲望で目をギラギラさせてるこの学校の生徒達は嫌いじゃないですね。若い力で社会を発展させてくれそう。ただし行き着く先はディストピアかもしれないのがアレだが。
 一応、トップらしく貫禄はある生徒会長だけど盛大にかませっぽいんだよなぁ。次回あたり本気を出した弟にあっさり負けるか、あるいは大穴で妹がラスボスかもしれない予感がビンビンなんだぜ。
posted by 愛咲優詩 at 00:00 | TrackBack(0) | MF文庫J | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする