ダフロン

2018年12月10日

ソードアート・オンライン 21 ユナイタル・リング/川原礫


《アンダーワールド》から帰還して1カ月。キリトとアスナの傍らには、現実世界で実体を得たアリスの姿があった。しかしその平穏は突如破られる。3人が突如巻き込まれた謎のゲーム、《ユナイタル・リング》。それはザ・シードプログラムで構築された全てのVRMMOが融合した“サバイバルMMO”だった。


 統一世界を生き残れ

 全てのVRMMO世界が融合したSVG『ユナイタル・リング』の謎に黒の剣士が挑む。

 正直、読んでいて途中から辛くて耐えきれませんでした。猫耳アリスが可愛すぎて生きるのが辛い!
 突如としてアインクラッドが崩壊し、ザ・シードの全てのVRMMOが統合されて開始した『ユナイタル・リング』の世界で、サバイバルを余儀なくされたキリトたちが試行錯誤する姿が新鮮で面白い。
 この生活基盤をコツコツ作っていく地道で地味な作業。箱庭ゲーム好きとしてはたまらない。

 RPGとサバイバルあるいはサンドボックスはとても近しいジャンルですが、もっとも大きな違いは衣食住のインフラから自分たちで整備しないとフィールド上での活動すら困難というところ。
 戦闘では他の追随を許さない最強クラスのキリト、アスナ、アリスの三人が、今更になって低レベルな生産に挑戦して苦労する光景がなんだか可笑しい。肝心のシステムの解説すらないこの世界ベリハ。

 そしてリズベッドとシリカの出番がちゃんとあるだと!? これまでと違ってこの世界では、リズベッドの鍛冶スキルが大活躍でしょうなぁ。まず生産スキルを上げるには大量の資材と時間が必要になるし。
 PK集団は先行者有利を取りに来たわけですが、スキルの一部持ち越しがあるので、鉄ごときではアドバンテージにならない気がする。スタート地点で生産スキル持ちを多く囲っておくのが正解では?

 ただ新章への導入は、さすがに唐突すぎる感が否めない。ゲームデータでもプレイヤーにとってはかけがえのない資産だし、それが消滅なんて運営訴訟案件ですよ。後々辻褄を合わせてくれるんだろうか。
 けれど全てのVRMMO世界が統合されたということは、スピンオフ・シリーズのレンやナユタといったキャラクターも、もしかしたら登場する可能性がある? この世界観をどう活かすのかが楽しみです。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月05日

『このライトノベルがすごい!2019』webアンケート開催




 『このライトノベルがすごい!2019』webアンケート

 今年も『このライトノベルがすごい!』の時期がやってきました!

 今回も宝島社の方からお誘いを受け、ライター&協力者として参加させて頂きます。
 アンケートでの投票ルールは例年と同様のようです。

 ・アンケート項目
 【好きな文庫ライトノベル(シリーズ)】:5作品
 【好きな単行本ライトノベル(シリーズ)】:5作品
 【好きな女性キャラクター】:3名
 【好きな男性キャラクター】:3名
 【好きなイラストレーター】:3名

 ・対象作品は、発行日が2017年9月1日〜2018年8月31日のもの
 ⇒参考作品リスト

 ・締め切り:9月24日(日)23:59 となっています。
 
 最近、ネット上で話題になった『好きラノ』や『ラノベ総選挙』の傾向を見ると、ネット小説の出版化がファン層を取り込んで投票に繋がり、ランキング上位に躍り出ることが多いようです。
 文庫ライトノベル部門では、『りゅうおうのおしごと!』(白鳥士郎/GA文庫)が2冠を達成していて、春先のアニメの人気の勢いもあり殿堂入りに王手をかけています。
 単行本ライトノベル部門では、今年になって新たに創刊したレーベルも多く、相変わらずランキングの大荒れが予想されます。
 
 どのような結果が出るのかいまから楽しみです。みなさんもどうぞふるってご参加ください。
 
 
posted by 愛咲優詩 at 00:22| ラノベ評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月18日

錆喰いビスコ 2 血迫!超仙力ケルシンハ/瘤久保慎司


「錆喰い」由来の特殊体質を治すべく、大宗教国家・島根を訪れたビスコたち。しかし―そんな一行の前に野望の不死僧正・ケルシンハが立ちはだかる。不意打ちで胃を盗まれたビスコの余命は、僅か―五日!?宗教ひしめく島根の中枢“出雲六塔”に潜入した彼らは、はたして無事、元の身体を取り戻せるのか。


 人食いキノコ、神を破る

 まさに圧巻! 熱血マンガか映画を見ているかのような爽快感。脳内で快楽物質ドバドバでてすごい。
 錆喰いによるビスコの特異体質を治す手がかりを得て、宗教国家・島根の総本山「出雲六塔」にやってきた二人が、信仰によって世界を牛耳ろうと企む怪僧ケルシンハに立ち向かう大活劇に手に汗握る。
 文明が荒廃して人心も荒んだ殺伐とした世界で、どこまでもまっすぐで純粋な二人の姿が愛おしい。

 改めてミロの成長ぶりが目覚ましいですね。ビスコに女の子が近づくと不機嫌になる嫉妬ぶりにニヤニヤ。ビスコは相変わらずバカで乱暴なんだけれど、ミロを相棒として命を預けていて、いざとなれば心中する覚悟まで決めてるんだから、もうお前ら付き合っちゃえよ! お互いに足りないところを支えって、信頼しているけれど頼り切りにはならず、相棒に相応しくあるように高めあっている姿が眩しい。

 前巻の舞台だった忌浜がSFの世界なら、今回の出雲六塔は宗教と精神の世界。信仰を強調しながらも都市に住む人々の根底には人間の欲望や煩悩が渦巻いていて、弱者を踏みにじる特権者たちの歪んだ支配や不条理を、ビスコとミロの若いキノコ守りの二人が真正面からぶち壊していくところが痛快なんだ。
 悪役ケルシンハも狂ってはいるけれど、世紀末覇者の如き強烈な個性と迫力に魅せられました。

 すでに超大作クラスだった前巻からのスケールダウンを危惧していますがまったくの杞憂でした。引き続いて物語世界観を広げつつ、また別の切り口でストーリーを展開していったところがすごい。まったくの別物といっていいテーマをとり上げながら、新しい事実や謎を提示して想像を膨らませて、さらに勢いが加速していくんだから、こちとら乗り遅れないように必死ですよ。みんな『錆喰いビスコ』はいいぞ!
posted by 愛咲優詩 at 00:00| 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする