![]() | クロノ×セクス×コンプレックス 1 (電撃文庫 か 10-17) アスキー・メディアワークス 2009-11-10 by G-Tools |
平凡な時計屋の息子・三村朔太郎は、高校の入学式当日、奇妙な路地から見知らぬ学校に迷い込む。そこは時間の魔法を学ぶ学校で、おまけに自分がミムラという名の女子になっていて!? 魔法の授業や自分自身、周囲の女子たちに戸惑ったりドキドキしたりの日々に。
時の魔法と理科室の夜
女の子と身体が入れ替わり、魔法学校に入学してしまった少年が繰り広げるタイムリープストーリー。
性転換とタイムリープという一見して繋がりのない要素をうまく結びつけて物語を盛り上げてました。
何の因果か女の子として魔法学校に入学してしまい、男子とバレないように女子の社会の中で"王子キャラ"を演じる主人公・三村朔太郎の女子生活がまさにドキドキの嵐でした。
百合、学園ラブコメ、ファンタジー、SFその他が渾然一体となって不思議な調和を生みだしている。
オリンピアを始めとするヒロインキャラクターの安定感が抜群。
グループや派閥の間の争いが日常茶飯事だったり、その中でもさらに内輪もめや個人同士の諍いが絶えない女子の集団社会の生々しい実態を軽々と描写する作者の筆致に驚かされる。
女の子に囲まれて羨ましいとか、そんなに甘いもんじゃねぇ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ
ストーリーの根幹であるタイムリープの動機も、まさかそんな事でという女子ならではのものでした。
過去の失敗を時間を遡ってやり直そうとするたびに余計に事態が複雑化していくというのは、タイムリープものの王道だけれども。時間を操れるからと、なんでもできると思い上がってしまう人間のエゴを表しているのでしょう。もし現実にリセットボタンがあったとしても、結局は人間はそれを持て余す。
壁井ユカコのこれまでの作品は、どちらかといえば女性読者向けで男性読者にはやや共感しがたい心理描写が多く、苦手意識を持っていたのですが、今回は男性視点で女子の社会というものを捉えて、さらにラブコメ要素を取り入れることで格段に読みやすくなっていると思います。
もちろん、作風である女性心理の機微を扱ったものであるので女性読者にもオススメです。早く続きを





